
建設業許可は取得すれば終わりではなく、許可要件を満たさなくなった場合や法令違反があった場合には、行政庁から許可の取消し処分を受けることがあります。
取消しは最も重い行政処分であり、営業の継続に重大な影響を及ぼします。どのような場合に取消しとなるのかを理解し、日常的に許可要件を確認しておくことが重要です。
1 許可取消しとは何か
許可取消しとは、建設業法に基づき、行政庁が建設業者に対して与えている許可を失効させる処分です。
営業停止などの処分と異なり、取消しが行われるとその許可は無効となり、建設業として営業を行うことができなくなります。
また、取消しを受けた場合には、一定期間は新たに許可を取得できないなどの制限が生じることがあります。
2 欠格要件に該当した場合
建設業許可には欠格要件が定められており、これに該当した場合は許可を維持することができません。
主な例
- 禁錮以上の刑に処せられた場合
- 一定の法令違反により罰金刑を受けた場合
- 暴力団員等に該当した場合
- 破産手続開始決定を受けて復権していない場合
- 不正又は不誠実な行為を行った場合
これらに該当すると、許可取消しの対象となります。
3 許可要件を満たさなくなった場合
建設業許可では、次の要件を継続して満たしている必要があります。
- 経営業務の管理責任者等がいること
- 営業所技術者等がいること
- 財産的基礎を有していること
- 誠実性があること
これらの要件を満たさなくなった状態が続いた場合、許可基準を満たしていないとして取消しの対象になることがあります。
特に多い例
- 経営業務の管理責任者等が退職した
- 営業所技術者等が不在になった
- 要件を満たす者を補充していない
- 財産的要件を満たさなくなった
4 届出をしていない場合
建設業者には、許可取得後も各種届出義務があります。
主な届出
- 事業年度終了届
- 変更届
- 更新申請
これらを期限内に提出していない場合、
- 許可要件を確認できない
- 許可を維持する意思が確認できない
と判断され、許可取消しの対象となることがあります。
特に事業年度終了届の未提出が長期間続く場合は、実務上、取消しにつながる可能性が高くなります。
5 虚偽申請・重要事項の記載漏れ
許可申請や変更届において、
- 虚偽の記載をした
- 重要な事実を記載していない
- 経歴を偽って申請した
- 実務経験を満たしていないのに記載した
などが判明した場合は、許可取得後であっても許可取消しの対象になります。
申請時だけでなく、更新や変更届でも同様です。
6 処分違反をした場合
行政庁から
- 指示処分
- 営業停止処分
を受けたにもかかわらず違反を続けた場合、より重い処分として許可取消しとなることがあります。
行政処分に従わない行為は、取消しに直結する重大な違反です。
7 許可取消しになるとどうなるか
取消し処分を受けると次のような影響があります。
- 建設業として営業できなくなる
- 新たな許可を取得できない期間が生じる
- 元請との契約ができなくなる
- 公共工事に参加できなくなる
- 信用が大きく低下する
特に元請との取引が継続できなくなることが多く、実務上は事業継続が困難になるケースもあります。
まとめ
建設業許可の取消しは、
- 欠格要件に該当した場合
- 許可要件を満たさなくなった場合
- 届出をしていない場合
- 虚偽申請や記載漏れがあった場合
- 行政処分に違反した場合
などに行われます。
建設業許可は取得することよりも、取得後に適切に管理し続けることが重要な制度です。
日常的に許可要件を確認し、届出を確実に行うことが、取消しを防ぐために必要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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