建設業を営むには、原則として都道府県知事または国土交通大臣の許可が必要です。これは建設業法第3条第1項に定められた基本的なルールであり、元請・下請を問わず適用されます。「軽微な建設工事」のみを請け負う場合に限り例外的に許可は不要ですが、その範囲は非常に限定的です。

軽微な建設工事の範囲

 軽微な建設工事とは、建築一式工事では請負代金が1,500万円未満の工事(または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事)、それ以外の専門工事では請負代金が500万円未満の工事をいいます(建設業法施行令第1条の2)。この基準を超える工事を請け負うためには、業種に応じた建設業許可が必要です。

無許可業者が工事を受注した場合の責任

 許可を受けずに軽微な工事の範囲を超える工事を請け負った場合、建設業法第47条第1項第1号に基づき、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。悪質と認められる場合は懲役と罰金が併科されることもあります。また、行政処分として営業停止処分の対象にもなります。さらに、罰金刑が確定した場合は欠格要件(同法第8条)に該当し、その後5年間は建設業許可を取得できなくなります。

元請業者にも責任が及ぶ

 問題は無許可業者本人だけにとどまりません。許可が必要な工事を無許可業者に発注した元請業者も、建設業法第28条第1項の規定に基づく指示処分の対象となり、場合によっては7日以上の営業停止処分を受ける可能性があります。下請契約を締結する際には、相手方が該当する業種の建設業許可を持っているかどうかを必ず確認しなければなりません。

「軽微な工事のはずだった」では通じない

 実務では、当初は軽微な工事の範囲内と見込んでいたものの、追加工事や変更により合計金額が基準を超えてしまうケースがあります。また、同一の建設工事を複数の契約に分割して基準額を下回るように見せかける手法も、建設業法上は合算して判断されるため違法となります(建設業法施行令第1条の2第2項)。「分割すれば許可がいらない」という考え方は通用しません。

許可の確認は取引前に

 施工体制台帳には、無許可業者を含む全ての下請業者を記載する義務があります。意図的に無許可業者の記載を隠すと処分が重くなるおそれがあります。近年のコンプライアンス重視の流れの中、元請・下請を問わず、取引前に相手方の建設業許可の有無と許可業種を確認する体制を整えることが、自社を守るための基本といえます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

行政書士吉田哲朗事務所にお任せ下さい。
個人事業主、法人のお客様問わず、たくさんのお問合せを頂いております。
専任技術者要件の10年以上の証明の実績多数
経営業務の管理責任者

建設業29業種に対応
金看板取最短3日で申請!

投稿者プロフィール

吉田哲朗
吉田哲朗