近年、住宅の老朽化や生活スタイルの変化を背景に、リフォーム・リノベーション工事の需要が高まっています。こうした工事を請け負う際、建設業許可が必要かどうかを正しく判断することは、建設事業者にとって欠かせない知識です。

 建設業法第3条は、建設業を営もうとする者は原則として許可を受けなければならないと定めています。ただし、同条第1項ただし書および建設業法施行令第1条の2により、「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は許可が不要とされています。

軽微な建設工事の金額基準

 軽微な建設工事の基準は工事の種類によって異なります。建築一式工事以外(内装工事・塗装工事・管工事など)の場合、1件の請負代金が500万円未満(消費税込)であれば許可不要です。一方、建築一式工事の場合は、1件の請負代金が1,500万円未満(消費税込)、または請負代金にかかわらず延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事であれば許可不要となります。

リフォーム工事の業種区分に注意

 リフォーム工事においてとくに注意が必要なのは、工事の業種区分の判断です。「総合リフォーム工事」や「リノベーション工事」という名称であっても、実態が内装工事・電気工事・管工事などの専門工事の組み合わせにすぎない場合は、建築一式工事には該当しないと判断されることがあります。この場合、各専門工事の請負代金が500万円を超えていれば、許可なしに受注することは建設業法違反となります。

契約の分割に関する注意点

 また、工事を複数の契約に分割しても合算して判断される点にも留意が必要です。正当な理由なく分割した場合、その合計額で軽微性が判定されます。リフォーム工事は、追加工事や変更工事が生じることも多いため、最終的な工事金額を見込んだ上で許可の要否を確認することが重要です。

建設業許可の取得要件と罰則

 建設業許可を受けるためには、経営業務の管理責任者の要件、営業所技術者(旧専任技術者)の配置、財産的基礎(自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力)などの要件を満たす必要があります。許可なく建設業を営んだ場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)に処される可能性があります。

 リフォーム工事を安定的・継続的に受注していくためには、早めに建設業許可の取得を検討することが事業拡大への近道となります。工事の種類・規模・業種区分を正確に把握し、適切な許可の取得と維持管理に努めることが求められます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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