賞罰欄とは何を書く欄なのか

 建設業許可の申請書類には、常勤役員等や令第3条に規定する使用人の略歴書、許可申請者の調書などに「賞罰」を記載する欄が設けられています。「賞」は公的な表彰歴を指し、「罰」は建設業許可の欠格要件に該当しうる刑事罰・行政罰を指します。特に賞罰がない場合は「なし」と記載するのが通常の取扱いです。

記載しなかった場合に生じるリスク

 問題となるのは、実際には該当する罰があったにもかかわらず、これを記載しなかったケースです。建設業法第8条では、許可申請書またはその添付書類に重要な事項について虚偽の記載があり、または重要な事実の記載が欠けているときは、許可行政庁は許可をしてはならないと定められています。つまり、単に「書き漏らした」というだけでも、不許可の直接的な理由になり得るということです。

虚偽記載とみなされた場合の重さ

 さらに、意図的に記載しなかったと判断されれば、単なる記載漏れではなく虚偽の記載として扱われる可能性があります。建設業法第50条では、許可申請書に虚偽の記載をして提出した者について、6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金という罰則が定められています(令和7年6月の刑法改正により、従来の懲役は拘禁刑に置き換えられています)。許可取得後に虚偽記載が判明した場合は、許可の取消処分に発展することもあり、取消しから5年間は建設業許可を再取得できなくなるおそれがあります。

「隠しても発覚する」と言われる理由

 賞罰欄の記載を軽く考え、これくらいなら大丈夫だろうと省略してしまう方も少なくありません。しかし、許可行政庁は必要に応じて警察署など関係機関に照会を行うことができ、事実は最終的に判明します。特に禁錮以上の刑や、建設業法・刑法上の一定の犯罪による罰金刑などは欠格要件に直結するため、正確な申告が求められます。

判断に迷う場合の対応

 どこまでの罰を記載すべきかは判断が分かれやすい部分です。軽微な交通反則金のように前科に当たらないものは通常記載不要とされますが、罰金刑以上に該当するかどうかは個別の事情によって判断が異なります。また申請先によっては、過去何年分の賞罰を記載するかについて独自の注意書きがある場合もあるため、必ず提出先の手引きや要綱を確認することが大切です。

まとめ

 賞罰欄は申請書類の中でも見落とされがちな項目ですが、記載の有無が許可の可否や事業継続そのものに直結する重要な部分です。該当する事実がある場合は正直かつ正確に記載することが、結果的に事業を守ることにつながります。判断に迷う場合は、提出先の許可行政庁や専門家に事前に相談することをおすすめします。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、 公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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