
日常会話の「電気工事」と建設業許可上の「電気工事」は同じではない
「電気工事をお願いしたい」という相談を受けたとき、依頼者がイメージしている工事と、建設業許可上の業種区分が必ずしも一致するとは限りません。建設業許可には29種類の業種があり、電気に関連する工事だけでも複数の業種にまたがっているため、どの業種の許可が必要かを工事内容から正確に見極めることが実務上とても重要になります。
電気工事業に該当する工事とは
建設業法上の電気工事業は、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事と整理されています。具体的には、発電設備工事や送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事などが該当します。住宅や工場の配線工事、太陽光発電設備の設置工事なども、この電気工事業の範囲に含まれる代表的な工事です。
管工事業に含まれる設備とその境界線
一方、管工事業は冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置する工事、または金属製等の管を使用して水や油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事を指します。空調設備や給排水設備の中には制御盤や電気配線の設置を伴うものもありますが、あくまで管や水回りの設備工事として整理される点が、電気そのものを扱う電気工事業とは異なります。
電気通信工事業との違い(「強電」と「弱電」という考え方)
電気通信工事業は、電気通信線路設備工事や電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事など、通信のための設備を設置する工事です。実務では、電力そのものを扱う電気工事業を「強電」、信号や情報を扱う電気通信工事業を「弱電」と呼んで区別することがあります。LAN配線工事や防犯カメラの設置工事などは、内容によって電気工事業ではなく電気通信工事業に区分される場合があるため注意が必要です。
業種の判断を誤るとどうなるか
請け負う工事が該当する業種の許可を持たないまま、軽微な工事の範囲を超えて施工すると、建設業法違反となるおそれがあります。同じ「電気に関する工事」であっても、設置する対象や工事の目的によって該当する業種が異なるため、契約前に工事内容を整理し、必要に応じて複数業種の許可取得を検討することが望まれます。判断に迷う場合は、管轄の建設業許可担当窓口へ確認することも有効な方法です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、 公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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