業種追加とはどのような手続きか

 すでに建設業許可を受けている事業者が、これまでの許可業種とは別の業種について新たに許可を取得することを「業種追加」と呼びます。新規許可の取得とは異なり、既存の許可を維持したまま別業種を上乗せする手続きですが、要件の考え方は新規申請とほぼ同じであり、油断していると想定外の壁にぶつかることがあります。

専任技術者(営業所技術者等)の要件確認が最重要

 業種追加で最も注意すべきなのが、追加しようとする業種に対応した専任技術者(営業所技術者等)を配置できるかという点です。専任技術者の要件は業種ごとに定められており、実務経験によって満たしている場合は既存業種の経験をそのまま新しい業種の証明に転用することはできません。一方、国家資格の中には1つの資格で複数の関連業種の要件を同時に満たせるものもあるため、社内の資格保有状況を業種ごとに棚卸ししておくことが業種追加をスムーズに進める鍵になります。

実務経験による証明の落とし穴

 実務経験で専任技術者要件を満たす場合、1つの業種で証明した経験期間を、そのまま別の業種の期間としてカウントすることはできないのが原則です。ただし、業種の組み合わせによっては、双方の実務経験を合算することで必要年数が短縮される緩和措置が設けられているケースもあります。自社の状況がこの緩和措置に該当するかどうかは、事前に整理しておく価値があります。

特定建設業・指定建設業への業種追加は特に慎重に

 追加したい業種が特定建設業に該当する場合、専任技術者の要件は一般建設業よりも厳格になります。さらに、土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種は「指定建設業」とされており、特定建設業の専任技術者は原則として国家資格保有者等に限られ、実務経験のみでは要件を満たせません。すでに一般建設業のみを持つ事業者が、業種追加と同時に特定建設業へ切り替えようとするケースでは、この点でつまずきやすいため注意が必要です。

経営業務の管理責任者や社会保険なども再確認する

 業種追加の場面では専任技術者に目が向きがちですが、経営業務の管理責任者や適切な社会保険への加入、財産的基礎といった他の許可要件も、追加申請の時点で改めて審査対象となります。前回の許可取得時から時間が経っている場合、常勤性の確認書類や財務状況に変化がないかも合わせて点検しておくと安心です。

まとめ

 業種追加は既存の許可を活かせる分、新規許可より手続きが軽く感じられがちですが、実際には業種ごとの専任技術者要件という高いハードルが存在します。追加したい業種の要件を早めに整理し、必要な資格や実務経験の証明書類を計画的に準備することが、スムーズな許可取得への近道といえるでしょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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