愛知県内にのみ営業所を置いて建設業を営む場合、取得するのは愛知県知事許可です。要件そのものは建設業法で全国共通ですが、受付方法や審査の進め方には都道府県ごとの運用差があります。ここでは、新規に許可を取得するまでの手順を、確認すべき順番どおりに整理します。

ステップ1 そもそも許可が必要な工事かを確認する

 許可なしで請け負えるのは軽微な建設工事だけです。建築一式工事以外は1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)、建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が境界線となります。この金額基準は令和7年2月1日の政令改正でも変更されていません。注文者が材料を提供する場合はその材料費も含めて判断するため、税抜金額だけを見て判断すると誤りが生じます。

ステップ2 4つの要件を満たせるかを確かめる

 許可の要件は、適正な経営体制、営業所ごとの営業所技術者等(令和6年12月13日の改正前は専任技術者)の配置、誠実性、財産的基礎の4つです。あわせて健康保険・厚生年金保険・雇用保険への適正な加入も求められます。一般建設業の財産的基礎は、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、直前5年間の継続営業実績のいずれかで判断され、資金調達能力は基準日または発行日が申請直前4週間以内の預金残高証明書・融資証明書で確認されます。

ステップ3 申請先を確かめて書類を揃える

 主たる営業所が名古屋市内なら県庁の都市総務課建設業・不動産業室、名古屋市外ならその所在地を管轄する建設事務所が窓口です。県内に本店を置きつつ他県にも営業所を設ける場合は大臣許可となり、中部地方整備局が申請先となります。提出は申請書と確認書類の正副各1部で、登記事項証明書、定款の写し、納税証明書、身分証明書、登記されていないことの証明書などが代表的な添付書類です。

ステップ4 愛知県は仮受付と本受付の二段階

 愛知県では窓口での対面審査を行わず、郵送・投函・窓口のいずれかで書類を預かる仮受付から始まります。その後、内容確認と補正の連絡を経て、愛知県証紙またはキャッシュレス決済で手数料を納める本受付へ進みます。仮受付の時点では証紙を貼らない点が特徴です。手数料は新規許可が9万円、業種追加が5万円となっています。

ステップ5 審査期間の目安と許可後の義務

 県は標準処理期間を23日(県の休日を除く)としつつ、本受付後の審査期間はおおむね1か月と案内しています。仮受付から数えれば、補正の有無によってさらに前後します。許可取得後は5年ごとの更新に加え、毎事業年度終了後4か月以内の決算変更届や各種変更届が必要となり、取得して終わりではありません。

準備は逆算して進めるのが現実的

 証明書類には取得時期そのものが要件に関わるものがあり、集める順番を誤ると取り直しになります。また愛知県では、令和7年12月2日以降、常勤性の確認書類の取り扱いが変更されています。先に要件の充足を確認し、そのうえで書類を集めるという順序を守ることが、結果として最短ルートになります。

建設業許可の取得をご検討の方へ

 要件を満たしているかの判断や、実務経験・常勤性の証明方法は、事業者ごとの事情によって組み立てが変わります。自社のケースで許可が取得できるか確認したい方は、行政書士吉田哲朗事務所へお気軽にご相談ください。ご相談はお問い合わせフォームから受け付けています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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