審査期間そのものは短縮できない

 元請から許可の取得を求められたり、大型案件の受注が決まったりして、建設業許可を急いで取得したいという相談は少なくありません。しかし前提として押さえておきたいのは、行政庁の審査期間そのものは申請者側の努力では短縮できないという点です。愛知県知事許可の標準処理期間は23日(県の休日は含みません)とされており、県の案内でも本受付後の審査期間はおおむね1か月と説明されています。つまり短縮できる余地があるのは、審査に入る前の「書類を整える期間」だけということになります。

愛知県は仮受付と本受付の二段階になっている

 名古屋市内に主たる営業所がある場合、申請先は県の建設業・不動産業室です。ここで注意したいのが、愛知県では書類を提出しても即座に受理されるわけではなく、仮受付と本受付の二段階になっていることです。県では窓口での対面審査を行っておらず、郵送・投函・窓口のいずれかで書類を預かる仮受付から手続きが始まり、内容確認と補正のやりとりを経て、証紙を納める本受付へ進みます。県の案内では、提出票をあらかじめチェックしたうえで投函する方法であれば待ち時間なく仮受付が終わるとされています。標準処理期間のカウントが始まるのは本受付からであり、補正が重なれば仮受付から本受付までに数週間かかることもあります。

まず確認すべきは要件を満たしているかどうか

 書類作成に取りかかる前に、経営業務の管理を適正に行う体制、営業所技術者等(従来の専任技術者)、財産的基礎、社会保険加入という基本要件を満たしているかを先に点検することが最短ルートにつながります。特に時間を要するのが技術者要件で、国家資格保有者がいれば資格証の写しで足りる一方、実務経験10年で証明する場合は工事請負契約書や注文書、請求書などを年数分そろえる必要があり、収集だけで数か月かかることも珍しくありません。要件を満たせないまま書類だけ作り込んでも、申請そのものが成立しない点には注意が必要です。

有効期限のある書類は取得の順序を誤らない

 急ぐ場面ほど起きやすいのが、先に取得した証明書が本受付を迎える前に期限切れになってしまうという失敗です。一般建設業で財産的基礎を資金調達能力によって示す場合、愛知県は500万円以上の預金残高証明書について基準日が申請直前4週間以内のものと定めています。仮受付から補正を経て本受付に至るまでに時間がかかると、この期間を超えてしまうことがあるため、どの時点を基準に判断されるかは事前に窓口へ確認しておくと安心です。残高証明書は最後に取得する書類として位置づけ、身分証明書や登記されていないことの証明書など他の証明書類とは取得のタイミングを分けて考えるのが実務上の定石といえます。

許可が下りるまでは請け負えない工事がある

 もう一点、急ぐ理由が受注案件にある場合に確認しておきたいのが、許可が下りるまでは軽微な建設工事しか請け負えないという原則です。建築一式工事以外は税込500万円未満、建築一式工事は税込1,500万円未満または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅がその範囲となります。契約日を許可取得後に調整できるのか、それとも案件自体を見送るのかという判断は、申請の準備と並行して早い段階で整理しておく必要があります。なお新規許可の手数料は9万円で、本受付時に愛知県証紙またはキャッシュレス決済により納付し、審査の結果不許可となった場合でも返還されません。

建設業許可の申請でお困りの方へ

 行政書士吉田哲朗事務所では、名古屋市および愛知県内の建設業許可申請について、要件確認から書類収集、申請までを一貫してサポートしています。急ぎの案件やスケジュールに不安がある場合も、まずは現状をお聞かせください。
ご相談はお問い合わせフォームより承っております。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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