建設業許可の要件のうち、多くの事業者がつまずきやすいのが常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の経営経験の証明です。実態として長年にわたり建設業を営んできたとしても、当時の書類が手元に残っていなければ、行政庁は経験を認めることができません。ここでは、資料が見当たらないときに確認しておきたい点を整理します。

経営経験の証明は「地位」と「期間」の二本立て

 愛知県の許可要件では、常勤役員等のうち一人が建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有することなどが求められます。申請では様式第7号「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書」を提出し、その記載を裏づける確認資料を添えます。役員や個人事業主といった地位を公的書類で示し、あわせてその期間中に建設業を営んでいた事実を工事実績で示す必要があり、いずれか一方が欠けると要件を満たしたとは判断されません。

法人の役員経験を示す書類が見つからないとき

 法人役員としての在任期間は、原則として登記事項証明書で確認します。すでに退任している場合や、その会社が解散している場合であっても、閉鎖された登記記録は商業登記規則上閉鎖の日から20年間保存されるため、法務局で閉鎖事項証明書を取得できる可能性があります。ただし保存期間を過ぎた記録は交付されないため、古い経験ほど早めに確認しておくことが重要です。

個人事業主時代の確定申告書が手元にない場合

 個人事業としての経営経験は、通常、各年分の確定申告書で確認されます。控えを紛失した場合は、税務署の申告書等閲覧サービスで過去の申告内容を確認でき、スマートフォン等による写真撮影も認められています。写しの交付は原則として認められていないため、写し自体が必要なときは保有個人情報の開示請求によることになりますが、法人に係る申告書等はその多くが開示請求の対象とならない点に注意が必要です。

工事実績の資料が途切れている場合

 地位を証明できても、その期間に建設工事を請け負っていた事実を示す資料が別途必要です。工事請負契約書、注文書、請求書と入金の記録などを年ごとに揃え、期間が途切れないよう組み立てることが求められます。過去に許可業者で役員を務めていた場合は閲覧制度も考えられますが、愛知県の閲覧所で確認できるのは現に有効な知事許可を有する業者が提出した書類に限られるため、相手先の許可が失効していれば利用できません。

建設業許可の経営経験の証明でお困りの方へ

 経営経験の証明は、集められる資料の内容によって組み立て方が大きく変わります。判断に迷う場合は、申請前に窓口や専門家へ確認しておくと手戻りを防げます。建設業許可の申請でお困りの際は、行政書士吉田哲朗事務所お問い合わせフォームよりご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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