実務経験の証明に何が求められるのか

 一般建設業の営業所技術者等は、許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験があれば要件を満たします。証明は実務経験証明書(様式第九号)によって行いますが、愛知県の手引には、この様式のほかに必要に応じて別途資料の提出又は提示を求めることがあると明記されています。実際の審査では工事の内容や業種が判断できる資料の確認が想定されるため、古い書類が残っていないことを理由に証明が行き詰まる例は少なくありません。

まず資格や卒業学科で代替できないか確認する

 書類の収集に取りかかる前に、資格による証明が使えないかを確認する価値があります。該当する資格があれば、年数を積み上げて証明する必要がなくなる場合があります。ただし資格の種類によっては合格後に一定の実務経験を求められるものもあるため、手引の資格一覧で取扱いを確認しておくことが欠かせません。また指定学科の卒業があれば、高等学校で5年、大学や高等専門学校で3年へと必要年数が短縮されます。

資料が残っていない場合の集め直し方

 自社に控えがなくても、取引先に注文書や請求書の再発行を依頼することで不足を補える場合があります。愛知県の手引では、経営業務の管理責任者の経験確認について、契約書、注文書と請書控の組み合わせ、請求書等と入金が確認できる資料のいずれかで請負の実績を確認するとされており、実務経験の裏付けを求められた際の整理の目安になります。入金の確認は通帳や預金取引明細票など第三者機関が発行した資料によるとされ、現場名だけで工事内容が判断できない資料は使えないとされている点にも留意が必要です。

業種によっては算入できない経験がある

 書類が揃っていても、業種ごとの制限によって年数に算入されない経験があります。電気工事と消防施設工事のうち一定の工事については、電気工事士免状や消防設備士免状の交付を受けた者として従事した経験に限られます。解体工事も、平成13年12月1日以降に請け負ったものは解体工事業の登録または一定の建設業許可を受けた者として請け負った工事の経験しか算入できません。経験期間が重複する場合に原則として二重計算されない点も、年数を見積もる前提となります。

足りないときは早めに窓口へ相談する

 必要年数がどうしても揃わない場合でも、実務経験の緩和措置に該当する可能性が残されています。たとえば土木工事業と、とび・土工工事業などの対応する業種の経験が合わせて12年以上あり、そのうち当該業種の経験が8年を超えていれば、その業種の実務経験者として認定される取扱いがあります。判断が分かれる資料を自己判断で押し通すと補正や不許可につながるため、申請前に管轄の窓口へ相談することが結果的に最短の道筋となります。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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