〜増加する建設廃棄物とマニフェストによる移動管理〜

1. 建設廃棄物の現状と課題

近年、都市部の再開発やインフラ整備が進む一方で、建設廃棄物の排出量は年々増加傾向にあります。解体工事やリフォーム工事によって発生するコンクリートがら、木くず、金属くずなどの廃棄物は、適切に処理されなければ不法投棄や環境汚染の原因となります。特に郊外や山間部での不法投棄は、景観の悪化や土壌汚染、水質汚濁を引き起こす重大な社会問題です。

2. 建設リサイクル法の目的

建設リサイクル法(正式名称:建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)は、こうした課題に対応するために制定されました。この法律は、一定規模以上の建設工事において発生する特定の建設資材(コンクリート、アスファルト、木材など)を現場で分別・再資源化することを義務付けています。これにより、資源の有効利用と廃棄物の適正処理を促進し、環境負荷を軽減することを目的としています。

3. マニフェスト制度による廃棄物の移動管理

建設廃棄物の適正処理を徹底するため、産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度が導入されています。
マニフェストは、廃棄物の排出事業者 → 収集運搬業者 → 中間処理業者 → 最終処分業者までの流れを記録・追跡するための書類です。これにより、廃棄物がどこで、どのように処理されたのかを確認でき、不法投棄や不適正処理を未然に防ぐことが可能になります。

特に建設現場では、廃棄物が複数の中間業者を経由することが多く、マニフェストの正確な管理は不可欠です。電子マニフェストシステムの普及により、紙の管理に比べてリアルタイムでの追跡や紛失防止が可能になっています。

4. 適正処理のための事業者責任

建設リサイクル法および廃棄物処理法では、廃棄物の適正処理について排出事業者責任が明確に定められています。
たとえ委託先の業者が不法投棄を行った場合でも、排出事業者は責任を免れません。そのため、事業者は次の点を徹底する必要があります。

  • 委託先業者の許可証の確認
  • マニフェストの適正記入・保管
  • 処理完了報告の確認
  • 定期的な処理現場の確認

5. 不法投棄防止への取り組み

国や自治体では、不法投棄防止のためのパトロールや監視カメラ設置、違反者への厳罰化を進めています。違反が発覚した場合、懲役刑や高額な罰金が科されるほか、社会的信用を大きく失うことになります。
企業にとっては、コンプライアンスの徹底とともに、従業員や協力会社への啓発活動も重要です。

まとめ

建設リサイクル法とマニフェスト制度は、増加する建設廃棄物の適正処理と資源循環を支える重要な仕組みです。不法投棄は一度発覚すると企業活動に甚大な影響を及ぼすため、日常的な管理体制の強化と法令遵守が不可欠です。持続可能な社会の実現のため、すべての関係者が責任を持って廃棄物処理に取り組むことが求められています。

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