
1.社会保険は「許可の前提条件」
建設業許可を取得するためには、社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)への加入が必須とされています。
これは法律の条文に明記されているわけではありませんが、実務上、各行政庁は社会保険加入状況を厳格に確認しており、未加入のままでは申請が進みません。
社会保険未加入の場合、加入が完了するまで審査は事実上保留となります。
2.なぜ社会保険加入が求められるのか
建設業は公共性が高く、元請・下請の双方に法令遵守が強く求められます。
そのため行政庁は次の観点から社会保険加入状況を重視します。
- 労働者の保護が適切に行われているか
- 社会保険を含む法令遵守の体制が整っているか
- 継続的に事業を行う基盤があるか
社会保険は「会社としての適正性」を判断する大きな指標であり、許可の前提となっています。
3.確認される社会保険の種類
建設業許可で確認されるのは次の3つです。
● 健康保険・厚生年金保険
(法人は原則必須。個人事業主も従業員がいれば加入義務あり)
● 雇用保険
(個人事業主でも、従業員を雇用していれば加入が必須)
● 労災保険
(法人・個人問わず、労働者がいれば加入が必須)
特に誤解しやすい点として、
「個人事業主は社会保険が関係ない」 という認識がありますが、従業員を1名でも雇用すれば、法律上 雇用保険と労災保険は必須 です。
4.社会保険未加入の場合の流れ
社会保険に加入していない状態で許可申請をすると、行政庁の対応はほぼ共通しています。
- 社会保険未加入のため受付保留
- 加入手続きを行うよう行政庁から指導
- 加入証明書類の提出
- 完了後、審査再開
社会保険が整っていないと、許可申請は先に進まないため、申請前に加入を済ませておくことが最優先となります。
5.加入確認に必要な書類
行政庁が社会保険加入を確認するために求める主な書類は以下のとおりです。
- 健康保険・厚生年金の資格取得通知
- 雇用保険適用事業所番号がわかる書類
- 労災保険成立届
- 賃金台帳・従業員名簿(必要に応じて)
行政庁によって書類は異なりますが、加入が事実として確認できることが重要です。
6.CCUS(建設キャリアアップシステム)との関係
社会保険加入状況は CCUS にも反映されます。
元請企業は下請企業の社会保険加入状況を確認するため、未加入のままでは現場入場が制限されるケースもあります。
許可申請に限らず、事業継続の観点でも社会保険加入は不可欠です。
7.まとめ
建設業許可を取得するために、社会保険加入は次の理由から必須となります。
- 社会保険未加入では申請が事実上不可
- 法令遵守・労働者保護の観点から重視される
- 個人事業主でも従業員がいれば雇用保険は必須
- 申請前に加入し、証明書類を整えておく必要がある
建設業許可申請をスムーズに進めるためには、社会保険の加入体制を整えることが最初のステップとなります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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