
1 現場代理人の常駐義務とは
現場代理人の常駐義務は、建設業法に直接規定されているものではありません。主に公共工事において、契約上の原則として求められている運用です。
そのため、現場代理人が常駐すべきかどうかは、
・契約内容
・発注者が定める要領や特記仕様書
といった契約・運用ルールを前提に判断されます。
2 常駐義務が緩和される基本的な考え方
現場代理人の常駐が緩和されるかどうかは、工事の運営・取締りに支障がないか、発注者との連絡体制が確保されているか
という点を基準に、発注者が判断します。
これらが満たされている場合には、例外的に、現場代理人が常時現場にいなくてもよいとされることがあります。
3 兼任(複数工事を担当)で重視される条件
常駐義務緩和の場面で特に多いのが、現場代理人が複数の工事を兼任するケースです。
この場合、次の点が重要な判断要素になります。
1 兼任する工事の件数が少数であること
兼任する工事の件数が多いと、現場対応や判断が遅れ、施工管理に支障が生じやすくなります。
そのため、兼任件数は少数であることが前提とされます。
2 兼任する工事の現場間の距離・移動時間が一定範囲であること
現場間の距離が離れすぎている場合、緊急時や指示対応に時間を要するおそれがあります。
速やかに現場へ向かえる距離・移動時間であることが重要です。
3 求められた場合に速やかに現場へ向かう対応を行うこと
発注者または指導員から臨場を求められた場合には、直ちに工事現場へ向かえる体制が必要です。
そのため、
・連絡手段
・現場到着までの目安時間
・不在時の連絡窓口
といった点を、あらかじめ整理しておくことが求められます。
4 注意点
現場代理人と、主任技術者・監理技術者は制度上別の立場です。
現場代理人の常駐義務が緩和されても、主任技術者や監理技術者の配置基準が緩和されるわけではありません。
また、常駐義務の緩和は、発注者が認めて初めて成立するものであり、事業者の自己判断で行うことはできません。
5 まとめ
現場代理人の常駐義務緩和は、単に人手不足を理由に認められるものではありません。
・兼任する工事の件数が少数であること
・現場間の距離や移動時間が一定範囲であること
・求めがあれば速やかに現場対応できること
これらを具体的に説明できる体制が整っているかどうかが、実務上の重要なポイントになります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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