建設業許可を取得・維持するためには、経営業務管理責任者や専任技術者、財産的基礎などの要件に加えて、**「誠実性」**が求められます。
誠実性は数値や書類だけでは判断しにくい要件ですが、実務上は非常に重視されており、申請の可否を左右することも少なくありません。


1.誠実性とは何を指すのか

建設業許可における誠実性とは、請負契約の履行や事業運営において、法令や契約を守り、社会的に信頼できる行動を取っているかという点を指します。

単に「真面目そう」「問題を起こしていない」という印象論ではなく、過去の行為や現在の事業実態を踏まえて、客観的に判断されます。


2.誠実性が求められる理由

建設業は、多額の金銭が動き、下請業者や労働者、発注者など多くの関係者が関わる業種です。
そのため、許可業者には次のような姿勢が求められます。

・契約内容を守ること
・不正な手段を用いないこと
・社会的信用を損なう行為をしないこと

誠実性の確認は、建設業界全体の信頼性を維持するための重要な仕組みといえます。


3.誠実性が問題となる主なケース

実務上、次のような事情がある場合、誠実性に疑義が生じる可能性があります。

・請負契約に関するトラブルを繰り返している
・虚偽の申請や書類の改ざんがあった
・法令違反による行政処分を受けている
・社会保険や労働関係法令への対応が著しく不適切

特に、故意性が認められる行為や、反復継続して問題が生じている場合は、許可審査において慎重な判断がなされます。


4.誠実性はどのように確認されるのか

誠実性は、単独の書類だけで判断されるものではありません。申請書一式や添付書類、過去の行政処分歴、事業の実態などを総合的に見て判断されます。

また、「書類上は整っているが、実態と合っていない」と判断される場合も、誠実性に疑問が持たれることがあります。

このため、形式だけを整えるのではなく、事業の実態と申請内容の整合性が重要になります。


5.誠実性を確保するために意識すべき点

建設業許可を目指す事業者は、次の点を日頃から意識しておくことが重要です。

・契約書や帳簿を適切に管理する
・法令違反を放置しない
・行政からの指導には誠実に対応する
・実態に即した内容で申請を行う

誠実性は、短期間で作り上げるものではなく、日常の事業運営の積み重ねによって評価される要素といえます。


6.まとめ

建設業許可における誠実性は、「許可を受けるための条件」であると同時に、「許可業者としての姿勢」を示す基準です。

書類が揃っているだけでは不十分で、事業の実態や過去の行動が審査に反映される点を理解しておく必要があります。

誠実な事業運営を続けることが、結果として許可取得・維持の近道になります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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