やり直し工事とは、施工途中または完成後の工事について、品質不良や設計内容との不一致などが判明し、再施工が必要となるケースを指します。
建設工事は現場条件や工程が複雑であるため、一定の確率でやり直しが発生すること自体は珍しくありません。

しかし、やり直し工事は単なる作業のやり直しにとどまらず、契約内容・責任の所在・費用負担といった問題を伴うため、対応を誤ると大きなトラブルに発展する可能性があります。


やり直し工事が発生する主な原因

やり直し工事の原因として、実務上よく見られるものには次のようなものがあります。

設計図書と施工内容の不一致
設計変更の伝達不足や、図面解釈の違いにより、完成後に仕様の相違が判明するケースです。

施工上のミスや品質不良
寸法違い、仕上がり不良、施工手順の誤りなど、施工段階での不備が原因となる場合があります。

材料・部材の選定に関する問題
承認されていない材料の使用や、仕様と異なる部材の選定によって、やり直しが必要となることもあります。

契約外の変更・追加
当初の請負契約に含まれていない内容について、工事途中や完成後に変更や追加が求められ、その結果、既存部分の手直しが必要になるケースです。


やり直し工事と費用負担の考え方

やり直し工事において最も問題となりやすいのが、費用を誰が負担するのかという点です。

施工内容が契約内容に適合していない場合、一般に契約不適合として修補等の追完が問題となり、その対応は契約内容・不適合の原因(帰責性)・請負約款の定めによって判断されます。

一方で、設計変更や契約外の変更・追加に起因するやり直しについては、追加費用や工期変更の協議対象となることが多く、当初の請負金額に含まれるとは限りません。

このように、やり直し工事の費用負担は一律に決まるものではなく、契約関係と経緯の整理が不可欠です。


トラブルを防ぐための実務上のポイント

やり直し工事に伴う紛争を防ぐため、次の点が重要とされています。

契約内容を具体的に定めておくこと
工事範囲、仕様、変更手続き、費用精算の考え方を契約段階で明確にしておくことが重要です。

設計変更や指示内容の記録を残すこと
設計変更や追加指示については、実務上、書面化することが強く推奨されます。
やむを得ず口頭で指示が行われた場合でも、後追いで書面や記録に残して確認することが、後日のトラブル防止につながります。

工程ごとの確認を徹底すること
完成後ではなく、施工途中で確認・検査を行うことで、やり直しの範囲や影響を最小限に抑えることができます。

問題発覚時の早期協議
不具合が判明した段階で、当事者間で冷静に協議する姿勢が、紛争の長期化を防ぐ重要な要素となります。


まとめ

やり直し工事は、建設工事において避けられない場面もあります。
重要なのは、やり直しが発生した場合に、感情的な対立ではなく、契約と記録に基づいて整理できるかどうかです。

契約内容の明確化、記録の蓄積、丁寧なコミュニケーションを重ねることが、やり直し工事を大きなトラブルに発展させないための基盤となります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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