1 CPD(継続的専門能力開発)とは

CPD(Continuing Professional Development) とは、技術者が専門能力を継続的に高めるための教育・研修制度をいいます。建設業では、技術者の知識や技能を最新の基準に合わせるため、学習や研修を継続することが求められており、企業の信用力を測る指標としても注目されています。

国土交通省や各業界団体が実施する講習、オンライン研修、資格更新講習などが対象となり、受講によりポイント(単位)が付与される仕組みが一般的です。

2 建設業界でCPDが重要視される理由

(1)技術者の専門性の維持

施工管理、品質管理、安全管理など、建設業務は日々の法令改正や技術革新の影響を受けます。
CPDを通じて継続的に学習することで、技術者は常に最新の知識を保持できます。

(2)公共工事の入札で加点につながる場合がある

経営事項審査(経審)では、技術者の保有資格や継続研修が評価される項目に含まれ、公的入札において企業評価の向上につながるケースがあります。
CPD実績があることは、企業の体制整備を示す要素として評価されることがあります。

(3)企業の教育体制としての信頼性向上

技術者に研修を受けさせる仕組みが整っている会社は、外部からの信頼を得やすくなります。
民間工事の元請からも、教育体制の整備状況を確認される場面が増えています。

3 CPDの対象となる学習・研修例

CPDは特定の制度名ではなく、広く「継続教育」を意味します。建設業界では、主に次のような研修が対象になります。

  • 業種別の講習(建築、土木、設備など)
  • 法改正に関する研修
  • 技術士会・建築士会・施工管理技士会などの研修
  • 安全衛生に関する講習
  • オンライン研修・eラーニング
  • 業務に関連するセミナー参加

※団体ごとにCPD制度が異なるため、ポイント付与の可否は必ず確認する必要があります。

4 CPDポイントの管理方法

CPDは単に講習を受けるだけでなく、実績を記録・管理することが重要 です。
一般的には次のような方法で管理します。

  • 団体が提供する「CPD手帳」「会員マイページ」で管理
  • 修了証・受講証明の保存
  • 企業内で研修管理表を作成し、毎年更新

審査や入札の場面で「受講証明書」の提出を求められる場合もあるため、証明書の保管が必須となります。

5 企業がCPDを導入する際のポイント

(1)年間計画を作成する

社内で「年間の研修計画」を立てておくことで、担当者が受講しやすくなります。

(2)受講実績を可視化する

一覧表やクラウドツールで管理することで、更新忘れや受講漏れを防ぐことができます。

(3)資格更新講習を確実に受講させる

建築士、技術士、施工管理技士など、更新が必要な資格はCPD対象になりやすいため、計画的に受講させることが効果的です。

(4)公共工事の入札で有利になるよう整理する

経営事項審査向けに、技術者ごとの研修記録をまとめ、評価項目に対応させると効果的です。

6 まとめ

CPDは、技術者が専門能力を維持・向上するための重要な制度であり、建設業務の質や安全性を高めるだけでなく、入札や企業評価にも影響します。
継続的な学習を企業として仕組み化することで、外部からの信用にもつながります。
建設業では今後もCPDの重要性が増すことが予想されるため、早めに体制整備を進めることが求められます。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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