解体工事は、多量の建設廃棄物が発生する工事であり、分別解体や再資源化の適切な実施が強く求められています。そのため、一定規模以上の解体工事等については、工事内容や費用、処理方法を契約段階で明確にすることが制度上重視されています。
この考え方を具体化したものが、いわゆる**「追加記載」**と呼ばれる契約書面への記載義務です。


一定規模以上の解体工事と追加記載の位置づけ

追加記載が問題となるのは、いわゆる「一定規模以上の解体工事等」、すなわち建設リサイクル法の対象となる建設工事です。
これらの工事では、分別解体および再資源化を確実に実施するため、契約内容をより具体的に書面化することが求められています。

重要なのは、この義務が元請と発注者との契約だけでなく、元請と下請との契約にも及ぶという点です。
下請契約であっても、解体工事を実際に行う主体に対して、分別方法や費用、処理の考え方が正確に伝わる形になっていなければなりません。


下請契約で求められる書面記載義務

一定規模以上の解体工事等について、元請業者が下請業者と契約を締結する場合には、次に挙げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印した書面を相互に交付することが求められます。
口頭での説明や、記載内容が不十分な契約書では、要件を満たしているとはいえません。


書面に記載すべき4つの事項

追加記載として求められる事項は、次の4点です。

① 分別解体等の方法
解体工事をどのような工程で行い、コンクリート、木材、金属などをどの段階で分別するのかを明確にします。
単なる「解体工事」とするのではなく、分別解体を前提とした方法であることを具体的に示す必要があります。

② 解体工事に要する費用
解体工事そのものに要する費用を記載します。
分別解体に伴う作業負担を含め、工事費用の内容が分かる形で整理することが重要です。

③ 再資源化等をするための施設の名称及び所在地
解体工事で発生した資材を搬入する再資源化施設について、施設名と所在地を特定できる形で記載します。
抽象的な表現では足りず、具体性が求められます。

④ 再資源化等に要する費用
再資源化や処理に要する費用を記載します。
解体工事費とは区別して明示することで、費用負担の構造を明確にします。


下請契約における実務上の整理

下請契約の場合、実際には再資源化や処理を元請側で一括して手配するケースも多く見られます。
そのため、③や④については、契約内容に応じて**「該当なし」や「0円」**と整理されることもあります。

ただし、その場合であっても、記載自体を省略するのではなく、なぜ該当しないのかが分かる形で書面に残すことが重要です。
記載がない状態は、要件を満たしていないと判断される可能性があります。


追加記載が重視される理由

この追加記載が求められている背景には、分別解体や再資源化を形式だけで終わらせないという制度趣旨があります。
契約段階で方法や費用、処理先を明確にすることで、

・費用負担を巡るトラブルの防止
・再資源化ルートの不明確化防止
・現場への指示不足による不適切施工の回避

といった効果が期待されています。


実務で意識したいポイント

一定規模以上の解体工事では、請負契約書を作成しているだけでは十分とはいえません。
4項目が漏れなく記載されているか、署名又は記名押印があり相互に交付されているかを、下請契約の段階で確認しておくことが重要です。

契約書本文に盛り込む方法だけでなく、別紙として追加記載書面を作成し、契約書と一体で管理する方法も実務上よく用いられています。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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