はじめに

「小さな工事しかやっていないから、建設業許可はまだ先の話」と考えている方は少なくありません。しかし、事業が成長するにつれ、気づかないうちに許可が必要な状況になっているケースもあります。本記事では、建設業許可が必要となる具体的な基準と、許可なしで工事を行った場合のリスクについて解説します。


建設業許可が必要になる基本的な基準

建設業法では、一定規模以上の建設工事を請け負う場合に、建設業許可の取得が義務付けられています。その判断基準となるのが、以下の金額です。

  • 専門工事(建築一式工事以外):1件の請負代金が500万円以上(消費税込)の工事
  • 建築一式工事:1件の請負代金が1,500万円以上、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事

この基準に満たない工事を「軽微な建設工事」といい、許可がなくても請け負うことができます。


「500万円」の計算で見落としがちな3つのポイント

500万円という数字は一見シンプルですが、実際の計算には注意が必要です。

① 消費税込みの総額で判断する

税抜き490万円の工事であっても、消費税10%を加えると539万円となり、建設業許可が必要な工事になります。「税抜きなら大丈夫」という判断は誤りです。

② 発注者が支給する材料費も含まれる

発注者が別途購入して提供する材料がある場合、その市場価格や運送費も請負代金の額に加えて計算します。「工賃だけで500万円以下だから問題ない」という考え方は通用しません。

③ 契約を分割しても合算される

1つの工事を複数の契約に分けて500万円未満に見せようとする行為は、建設業法で禁止されています。実態として1つの工事であれば、各契約の合計額で判断されます。


無許可で工事を請け負った場合のリスク

建設業許可が必要な工事を無許可で請け負った場合、以下のような重大なペナルティが科される可能性があります。

刑事罰3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人の場合は1億円以下の罰金

行政処分:営業停止処分、建設業許可の取消処分

許可の欠格:違反後は5年間、建設業許可を取得できなくなる

また、元請業者として工事を発注する立場であっても注意が必要です。下請業者が適切な建設業許可を有していなかった場合、発注を行った元請業者も建設業法違反による監督処分が科せられる可能性があります。元請業者は、下請業者の許可の有無だけでなく、業種の適合性まで確認する義務があります。


許可取得は早めに検討を

現時点では軽微な工事しか受注していない場合でも、事業の成長を見据えると、建設業許可を前もって取得しておくことが賢明です。

許可の申請には一定の審査期間がかかるため、大きな工事の契約が決まってから急いで申請しても、許可取得が間に合わないケースがあります。また、建設業許可を保有していることは、発注者や取引先からの信頼獲得にもつながり、受注機会の拡大にも直結します。近年はコンプライアンスの観点から、発注者や元請業者が工事の発注にあたり建設業許可の取得を条件とするケースも増えています。


まとめ

建設業許可が必要になるタイミングは、請負金額が基準を超えた時点です。消費税・材料費・契約分割など、見落としがちなポイントが多く、「知らなかった」では済まされない厳しい罰則もあります。自社の工事規模や今後の事業計画を踏まえ、早めに専門家へ相談することをおすすめします。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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