建設業許可は、建設工事の適正な施工の確保と発注者の保護を最大の目的としています。

建設業法は、不適正な建設業者から発注者を守るため制定されました。この目的を実現するために、建設業は許可制になりました。

建設業許可は、建設業法で定められており、一定の技術的な資格や財産的基礎を備えた者に、国や都道府県が建設業を営む許可を与える制度です。

建築物や土木工作物に、手抜き工事や粗雑工事があっても、完成後すぐにはわかりません。何年か経たなければ、発注者は使用に耐えるものか否か判断できません。そのため、工事を発注する前に、一定の基準を満たしている施工業者を選び、手抜き工事などを未然に防ぐために建設業許可があるのです。

2、許可を取得しなけばならないのは

①1件の請負代金1500万円(消費税込み)以上の建築一式工事

②延べ面積150㎡以上の木造住宅の建築一式工事

③1件の請負代金500万円(消費税込み)以上の建築一式工事以外の工事

①~③の要件を満たす以上の工事を施工する場合は、許可取得が必要ですが、①~③の要件を満たさなければ、許可取得が必要ありません。

ただし、②において木造住宅とは、「主要構造部が木造で2分の1以上を居住に供するもの」と解釈されるので、延べ面積150㎡に満たない木造住宅工事でも、2分の1以上を店舗に使用する場合は許可が必要となります。

3、許可取得のメリットは

①500万円(消費税込み)以上の工事(建築一式工事については、木造住宅以外では1500万円(消費税込み)以上、延べ面積150㎡以上の木造住宅の建築一式工事を請負施工できることです。これにより金額的な制限は取り払われるので、より自由な営業活動が可能です。

*「特定建設業許可」「一般建設業許可」による制限はあります。

②対外的な信用度の向上があげられます。1,「経営業務の管理責任者」2,「専任技術者」3,「財産的基礎」などの要件を満たし、一定の基準をクリアすることによって、企業体質が改善されるとともに、官公署、民間の発注者から信用度を増すことにもなります。

さらに、銀行や保証協会など同様で、公的融資による資金調達が容易になります。

③許可申請時の提出書類のうち、許可申請書と添付書類は、許可後、広く一般に閲覧されます。

したがって、、提出した工事経歴書、登記事項証明書、財務諸表および役員などの書類などが公開されることによって、会社の内容がある程度公になります。

官公署、民間の発注者が工事を発注する際、その建設業者の規模、経営内容、実績などを閲覧することにより、発注者の事前調査を容易になります。この結果、有料な建設業者は受注活動が有利になります。