建設工事の請負の範囲として、その性質や対象となる工事の範囲として、請負、雇用、委任があります。

請負

当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約をいいます(民法第623条)。

雇用

当事者の一方が相手方に対して労働を従事することを約し、相手方がこれに対して報酬を支払うことを約する契約であり、仕事の完成についてのリスクを負担するものではありません(民法第623条)。

委任

当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託する契約であって、仕事の完成を内容とする請負とは異なり、仕事の完成がなくても履行の割合に応じて報酬を請求することができるものとされています(民法第643条)。

建設工事の契約

現実に締結される契約においては、建設工事の完成を目的とするものであっても、必ずしも請負という名義を用いていない場合もあります。

そのため、建設業法では脱法行為を防ぐ目的で、委託、雇用、委任その他のいかなる名義を用いるものであろうと、実質的に報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約はすべて建設工事の請負契約とみなしてこの法律を適用することとしています(建設業法24条)。

制作物供給契約

なお、売買契約と請負契約の混合契約と考えられるいわゆる制作物供給契約により建設工事の完成を約する場合は、建設工事の請負契約に該当すると解釈されます。