近年、建設業界においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せており、その一環としてオンライン会議の活用が急速に進んでいます。かつては現場主義が強く、対面での打合せが主流だった建設業界ですが、コロナ禍を契機にリモートでのコミュニケーション手段が拡がり、業務の効率化・時間の有効活用といった面で大きな変化が生まれています。


1.会議の効率化とスピードアップ

オンライン会議を活用することで、施工業者・設計者・施主など関係者が時間と場所を問わず打合せできるようになりました。これにより、移動時間の削減はもちろんのこと、小規模な確認事項や進捗報告も即時対応可能となり、意思決定のスピードが格段に向上しています。


2.現場と本社の連携強化

これまで「現場での情報共有」に課題を抱えていた企業にとって、オンラインツールの導入は大きな前進です。
例えば、現場スタッフがスマートフォンやタブレットを通じて進捗状況をリアルタイムで共有し、本社や設計部門とスムーズに連携を取ることが可能となりました。写真や図面の共有も簡単に行えるため、意思の食い違いによる手戻りも減少しています。


3.人手不足・働き方改革への対応

オンライン会議の普及は、建設業界の深刻な課題である人手不足や長時間労働への対応策のひとつとしても注目されています。
現場に足を運ばなくても一定の確認や打合せができることで、女性や高齢者など多様な人材が参画しやすい環境づくりにもつながります。また、会議時間の短縮やフレキシブルな対応によって、職員のワークライフバランスの改善にも寄与しています。


4.課題と今後の展望

一方で、オンライン会議では「現場感」や「細かなニュアンス」が伝わりにくいといった課題も残っています。特に施工現場においては、実物の確認や肌感覚での判断が求められる場面も多いため、リアルとオンラインのハイブリッド運用が理想的といえるでしょう。

今後は、ARや360度カメラ、ドローンといった映像技術の進化と連携することで、より精緻なコミュニケーションが実現し、建設業におけるデジタル化はさらに加速していくと考えられます。


まとめ

オンライン会議は、建設業界にとって「効率化」と「新たな働き方」をもたらす大きな転換点となっています。
現場とオフィス、ベテランと若手、多様な人材がより柔軟につながる未来の建設業に向けて、今こそデジタルツールの活用を見直す時かもしれません。

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