建設業を営む事業者にとって、建設業許可の取得は事業基盤を築くうえで欠かせない要素です。しかし、実際に工事を進めていく過程では、建設廃棄物の処理や運搬を伴うことが多く、この際に必要となるのが「産業廃棄物収集運搬業の許可」です。本記事では、両者の関連性について整理し、事業者に求められる対応について解説します。


1 建設業許可の位置づけ

建設業許可は、500万円以上の請負工事を行うために必要な許可であり、元請・下請を問わず、一定規模以上の工事を担うためには必須となります。許可取得には経営業務の管理責任者や専任技術者の設置、財産的基盤など複数の要件が求められます。建設業許可は「工事を受注するための資格」としての性格が強く、事業者の信用力を示す役割も果たしています。


2 建設工事と廃棄物の発生

建設工事では、解体工事やリフォーム工事をはじめ、木材、コンクリート、金属くずなど多様な建設廃棄物が発生します。これらの廃棄物は、適切に処理・運搬しなければ不法投棄や環境汚染の原因となり、社会的信用を大きく損なうことになります。そのため、法令に基づいた廃棄物処理体制を整備することが不可欠です。


3 産業廃棄物収集運搬業の許可の意義

産業廃棄物収集運搬業の許可は、建設現場で発生した産業廃棄物を収集し、適切な処理施設へ運搬するために必要となります。この許可は都道府県ごとに取得する仕組みであり、廃棄物を運搬する区域ごとに申請が必要です。取得には、運搬用車両や容器の確保、事業計画、講習修了などが求められます。
つまり、建設業許可が「工事を行うための資格」であるのに対し、産業廃棄物収集運搬業許可は「工事で発生した廃棄物を適正に処理へとつなぐための資格」と言えます。


4 両許可の関連性

両許可はそれぞれ独立した制度ですが、実際の建設事業では密接に関連します。例えば解体工事業を営む場合、建設業許可がなければ一定規模以上の解体工事を請け負うことができません。また、工事に伴って発生したコンクリートがらや木材くずを現場から搬出する際には、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
このように、**「工事を受注するための建設業許可」と「工事に伴う廃棄物を運搬するための産廃許可」**は、両輪の関係にあります。


5 外部委託との関係

自社で産業廃棄物収集運搬業の許可を持っていない場合、許可を有する業者に委託することが可能です。ただし、委託契約の締結やマニフェストの交付など、適正な管理が義務づけられています。許可を持たないまま自社で運搬を行えば、不法行為として罰則の対象となります。建設業者にとっては、委託先の選定と管理が重要なリスク管理の一部となります。


6 まとめ

建設業許可と産業廃棄物収集運搬業の許可は、それぞれ役割が異なるものの、建設事業の現場では切り離せない関係にあります。前者は「工事を行うための入口」として、後者は「工事後の適正な処理」を担保するための仕組みです。両許可を適切に取得・活用することで、法令順守と社会的信頼を確保し、持続可能な事業運営につなげることができます。

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吉田哲朗
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