
本日は、建設業界において重要な位置を占める「経営事項審査(経審)」に関するランク付けと申請基準の改正について解説します。公共工事の入札に参加するために不可欠な制度であり、今後の事業運営に大きな影響を及ぼす内容となっています。
1.経営事項審査の目的と仕組み
経営事項審査は、公共工事を請け負う建設業者に対して、その経営状況や技術力、社会性を客観的に評価する仕組みです。
評価結果は「総合評定値(P点)」として数値化され、自治体や国の発注機関はこれを基準に業者の格付けを行い、入札参加の可否や受注可能な工事規模を判断します。
したがって、経審は単なる形式的な審査ではなく、公共工事市場における競争力を決定づける重要な要素といえます。
2.ランク付けの仕組みと改正の背景
これまでの経審におけるランク付けは、主に以下の要素で構成されていました。
- 経営状況分析(財務内容)
- 技術職員数や工事実績などの経営規模評価
- 労働福祉・法令遵守といった社会性等の審査
近年は、公共工事を巡る環境の変化や人材不足への対応、社会的要請を踏まえた見直しが進められています。特に、働き方改革や環境配慮、地域貢献度などの要素を評価に組み込む流れが強まっており、単なる経営規模や財務指標だけではない総合的なランク付けが重視されるようになっています。
3.申請基準の改正点
経審における申請基準も改正が行われており、代表的な変更点として次の点が挙げられます。
- 財務面の透明性強化
近年は電子申請やe-Taxとの連動が進み、税務署の収受印に代わって電子的な証明書類が認められるなど、形式面での合理化が進んでいます。 - 技術者要件の見直し
専任技術者や監理技術者に関する資格・経験年数の評価方法が整理され、専門分野ごとに適正な評価がなされる方向に改められています。 - 社会性等評価の拡充
女性技術者の登用や若手人材の育成、安全衛生への取組み、さらには環境負荷低減の取組みなどが加点対象となり、企業の持続可能性や地域社会への貢献度が重視されるようになりました。
4.今後の対応ポイント
今回の改正を踏まえ、建設業者が留意すべきポイントは次の通りです。
- 決算書や経理基盤を整備すること
- 資格取得や人材育成を戦略的に進めること
- 社会性の取組み(法令順守・労務管理・環境対応)を強化すること
これらを意識することで、単なる点数の積み上げではなく、企業の信頼性や公共性を高める結果につながります。
まとめ
経営事項審査は、公共工事に参入するための必須条件であり、そのランク付けは企業の事業規模や信頼性を映し出す指標です。改正によって、財務内容だけでなく、社会性や人材活用への取組みがより強く問われるようになりました。
これからの建設業者にとっては、入札競争に勝ち残るために、経審への理解と準備が欠かせません。制度改正の動向を正しく把握し、自社の強みを活かした取組みを進めることが重要といえるでしょう。
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