1.立入調査の目的

建設業許可を受けた業者は、建設業法に基づき適正に事業を営む義務があります。
公共工事・民間工事を問わず、法令違反や不正行為が疑われる場合、監督官庁は「立入調査」を行います。

立入調査は、事業者の遵法意識を確かめ、建設業の健全な発展を維持するための制度です。


2.調査を行う機関と範囲

立入調査は、国土交通省や都道府県などの許可権者が実施します。
対象は、営業所・工事現場・関連資料など広範囲に及びます。

調査官は次の行為を行います。

  • 帳簿書類の閲覧
  • 従業員や役員への質問
  • 工事現場での確認
  • 必要に応じた記録の作成

3.調査のチェックポイント

立入調査で特に確認されるのは以下の点です。

  • 許可業種と施工内容の整合性
  • 請負契約書や注文書の適正性
  • 下請業者への発注方法・支払状況
  • 技術者配置や専任性の遵守
  • 安全管理体制や労働環境の確保

これらに違反が認められると、改善命令や行政処分につながります。


4.よくある違反例

建設業界で見られる代表的な違反は次のとおりです。

  • 無許可工事の受注
  • 許可外業種の工事施工
  • 下請代金の不払い・遅延
  • 名義貸し(実態のない許可業者の名義を利用)
  • 専任技術者や経営責任者の不在

悪質な場合、営業停止や許可取消に至ることもあります。


5.立入調査への備え

立入調査は予告なしに行われる場合もあり、業者にとっては大きな緊張を伴います。

しかし目的は処罰ではなく、業務が適正に行われているかの確認です。
そのため、日頃から以下の点を徹底することが大切です。

  • 契約書・帳簿を整理する
  • 下請取引の適正化を図る
  • 安全管理を徹底する

6.調査後の対応

立入調査の結果、指導書や改善命令が出されることがあります。
これは違反行為を是正させるための行政指導であり、業者にとって経営体制を立て直す機会でもあります。

調査で指摘された点を真摯に受け止め、改善策を講じることが信頼向上につながります。


7.まとめ

建設業は公共性が高く、社会インフラを支える重要な役割を担っています。

そのため、許可業者には高い遵法意識が求められるのです。
立入調査は厳格ではありますが、法令遵守と信頼確保のために欠かせない仕組みといえます。

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吉田哲朗
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