
1 施工体制台帳とは
施工体制台帳は、建設工事における元請業者と下請業者の関係、そして配置される技術者を明らかにするための帳簿です。
公共工事の元請として1件あたり4,000万円(建築一式工事は6,000万円)以上の工事を受注した場合に作成義務があり、監督官庁からの提出指示に備えて整えておく必要があります。
2 施工体制台帳の目的
この帳簿を整備する目的は大きく分けて以下の3点です。
- 適正な下請関係の把握:孫請以下の重層下請を防ぐため。
- 技術者配置の確認:専任技術者や主任技術者が実際に配置されているかを明確にするため。
- 工事の透明性確保:公共性の高い工事において不正や不透明な体制を防ぐため。
3 記載の基本事項
施工体制台帳には、次のような内容を記載します。
- 工事件名・工事場所・契約金額など工事の基本情報
- 元請業者の商号、代表者、専任技術者の氏名や資格
- 下請業者の商号、代表者、現場代理人、主任技術者等
- 下請契約金額、請負工事の内容
- 孫請以降の下請関係がある場合は、その階層も含めて一覧化
4 施工体制台帳の作成手順
施工体制台帳を作る際の流れは以下の通りです。
- ①工事情報を整理する
契約書や設計図書をもとに、工事の概要を最初に記入します。 - ②下請契約の把握
契約ごとに下請業者の商号、代表者、請負金額を正確に書き出します。 - ③技術者の確認
主任技術者・監理技術者の資格証明や配置状況を確認し、氏名・資格を記載します。 - ④体制図の作成
下請・孫請が多い場合は、体制を図示しておくと分かりやすく、監督官庁のチェックにも有効です。
5 施工体制台帳と下請負契約台帳の違い
施工体制台帳と似ている帳簿に「下請負契約台帳」があります。
- 下請負契約台帳:各下請契約を1件ごとに整理する帳簿。
- 施工体制台帳:1つの工事に関与する元請・下請の全体像をまとめた帳簿。
この2つを合わせて整備することで、工事体制の透明性が一層確保されます。
6 作成上の注意点
- 正確な情報の記載:契約金額や業者名に誤記があると行政からの指摘対象になります。
- 随時更新:途中で下請変更があれば、速やかに追記修正を行う必要があります。
- 保存義務:施工体制台帳は完成後5年間の保存が求められます。
7 まとめ
施工体制台帳は、単なる書類作成ではなく、工事の適正な進行と透明性確保のために欠かせない帳簿です。
公共工事を受注する事業者は、下請契約ごとの情報を正確に記載し、常に最新の状態を維持することが重要です。
特に技術者配置や下請階層の確認は行政の重点チェックポイントとなるため、作成の際には十分注意を払う必要があります。
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