
1 電気工事業の位置付け
電気工事は、建築物や設備の安全性・機能性を確保するために欠かせない分野です。配線や配電盤、照明器具の設置など、専門的な知識を持つ人材による施工が求められます。もし不適切な工事が行われれば、感電や火災といった重大事故につながる危険性があります。そのため、電気工事業を営む事業者には、法律に基づく届出や登録制度が設けられています。
2 開始届とは
建設業許可を持たずに電気工事業を始める場合は、「開始届」を提出しなければなりません。これは、電気工事業を営むことを行政に知らせ、必要な技術者や器具を整えていることを確認するための手続です。
届出には、事業者の名称・所在地、営業所の情報、扱う工事の種類(一般用・自家用)、専任技術者の資格情報などを記載し、必要な添付書類を揃えます。これにより、行政が事業者の体制を把握し、安全な施工が担保される仕組みとなっています。
3 みなし登録とは
一方、建設業許可の中で電気工事業の許可を受けている事業者は、別途「登録」をする必要はありません。法律上、自動的に「登録を受けたものとみなされる」からです。これが、いわゆる「みなし登録」です。
ただし、みなし登録であっても、実際に電気工事業を始める際には行政への届出が必要です。許可を持っているからといって何もしなくて良いわけではなく、開始後に所定の手続を行うことが求められています。
4 切り替えの必要があるケース
すでに登録電気工事業者として活動していた事業者が、その後建設業許可(電気工事業)を取得した場合は「切り替え」が必要です。
この場合は、従来の登録を廃止したうえで、みなし登録事業者としての開始届を提出する流れとなります。制度が二重にならないように整理するための手続であり、見落とすと無届営業と判断されるおそれがあるため注意が必要です。
5 変更や更新時の対応
電気工事業を営む過程で、商号や住所の変更、営業所の新設・廃止、専任技術者の交代などが生じた場合には、変更届を提出する必要があります。
また、建設業許可の更新や記載事項の変更があったときも、電気工事業の登録情報を最新の状態に反映する手続が必要です。行政庁から指導を受けないためにも、届出のタイミングを逃さないよう管理することが大切です。
6 まとめ
電気工事業を営むにあたっては、建設業許可の有無によって必要な届出が異なります。
- 建設業許可がない事業者 → 開始届を提出。
- 建設業許可(電気工事業)がある事業者 → みなし登録事業者として開始届を提出。
- 既存の登録から許可に移行した場合 → 切り替えの手続が必要。
- 変更が生じた場合 → 速やかに変更届を提出。
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