
1 建設業界に求められる脱炭素化の流れ
近年、世界的に「カーボンニュートラル(脱炭素)」の取り組みが進み、日本でも政府が2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す方針を掲げています。
建設業界は、エネルギー消費量や資材使用量が多く、社会全体のCO₂排出量の約4割を占めるとされる産業分野です。そのため、業界全体で環境負荷を軽減する取り組みが強く求められています。
2 施工段階でのCO₂削減の取り組み
工事現場では、重機や発電機による燃料消費が主な排出源です。
最近では、電動建設機械の導入やバイオ燃料の使用が進められています。
また、アイドリングストップの徹底、資材の搬入ルートの最適化など、現場単位での工夫によってもCO₂削減が可能です。
ICT施工やBIM/CIMの導入により、施工計画をデジタル上で検証することで、無駄のない工程管理が実現し、燃料・資材のロスを抑えることにもつながります。
3 再生資材・省エネ建材の活用
資材製造段階でも環境負荷低減の動きが広がっています。
再生骨材コンクリートやリサイクル鋼材など、リサイクル素材を活用した建材が注目されており、自治体発注工事でも採用が進みつつあります。
さらに、断熱性・気密性の高い省エネ住宅建材や、太陽光発電パネルの設置促進など、建設後の建物の省エネルギー性能を高める取り組みも重要です。
このように、建設業は「作るとき」だけでなく「使うとき」までを見据えた環境設計が重視されています。
4 カーボンマネジメントと見える化
企業単位では、排出量を定量的に把握する「カーボンフットプリント」や「LCA(ライフサイクルアセスメント)」の導入が進んでいます。
これにより、各工程で排出されるCO₂量を**「見える化」し、どの段階で削減すべきかが明確になります。
また、ゼネコンを中心にサプライチェーン全体の排出量を管理する動き**も活発化しており、協力会社や下請企業にも脱炭素の意識が求められています。
5 地方建設業にも広がるグリーン化の波
都市部だけでなく、地方の中小建設業者でも脱炭素の流れは広がっています。
公共工事での環境配慮評価制度や、グリーン購入法に基づく資材選定基準の適用などにより、環境対応が企業の信頼度に直結する時代となっています。
また、自治体によっては、省エネ建築物への補助金制度や再エネ導入支援策も整備されており、これらを活用して経営面の強化にもつなげることが可能です。
6 今後の展望
今後の建設業界では、単なる環境配慮にとどまらず、**企業の持続可能性を示す「ESG経営」や「SDGs達成」**の一環として脱炭素の取組みを進めることが不可欠です。
特に、建設現場のデジタル化や再エネ活用技術の進歩により、業界の環境負荷は大きく変わる可能性があります。
建設業が社会基盤を支える産業であると同時に、地球環境を守る主体としての役割を果たすことが、これからの企業価値を決定づける鍵となるでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
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