1.経営規模等評価とは何か

経営規模等評価とは、建設業者の経営内容・規模を客観的に数値化する制度で、経営事項審査(経審)を構成する主要な評価項目の一つです。
公共工事の入札に参加するためには経審を受ける必要があり、その中核をなすのがこの評価です。

具体的には、次の3つのデータを基礎に、建設業者の事業規模や継続性を総合的に判断します。

  • 完成工事高(X1):元請・下請の工事実績
  • 自己資本額・平均利益額(X2):財務基盤の強さ
  • 技術職員数・技術的能力(Z):技術力の保有状況

これらの項目は、毎年の決算とともに変動するため、継続的な維持と改善が重要になります。


2.経営規模等評価が必要となるケース

経営規模等評価は、次の場面で必須となります。

(1)公共工事の入札に参加するとき

国・県・市町村などの公共工事を受注するには、経審の結果を提出する必要があります。
評価点は、指名参加資格や入札ランクの基礎となり、企業の信頼性を測る指標として扱われます。

(2)継続的な事業評価を求められる場合

大規模事業者はもちろん、中小企業であっても、元請として公共工事を扱う場合には必須となります。
また、民間工事でも経審の評価を取引先に求められるケースが増えており、幅広い場面で評価の提出が求められることがあります。


3.経営規模等評価の評価項目

経営規模等評価は、主に次の3分類で構成されています。

(1)X1:完成工事高

過去1年間の完成工事高を、元請工事・下請工事に区分して評価します。
施工実績の多さがそのまま評価点につながり、規模の大きさを示す指標となります。

(2)X2:自己資本額・平均利益額

企業の財務状態を示す評価です。
安定した利益と自己資本を確保しているかが重要であり、財務基盤が弱い場合は点数が大きく下がります。

特に、自己資本額の増加は評価点に直結するため、毎期の財務改善が重要となります。

(3)Z:技術職員数・その他の要素

専任技術者・監理技術者・資格保有者などの技術的能力を評価します。
経験年数・資格保有状況・従業員数などが加点対象になり、技術力の強化は評価に大きく影響します。


4.評価を高めるポイント

経営規模等評価は、事業全体の体制を見直す良い機会にもなります。
特に改善効果が大きいのは次のポイントです。

(1)自己資本額の強化

財務改善(資本増強・利益計上)は評価点を押し上げる中心要素です。
500万円超の自己資本の確保は、建設業許可にも直結します。

(2)資格保有職員の増加

1級・2級施工管理技士などを増やすことで、Z点の上昇が見込めます。
特に技術職員が不足している企業は、計画的な資格取得支援が有効です。

(3)工事実績の確保

元請工事の実績は評価点に大きく影響します。
公共工事への参入を目指す場合、まずは継続的に元請実績を確保する体制を整えることが重要です。


5.経営規模等評価の手続きの流れ

評価を受ける際には、決算変更届の提出が前提となります。一般的な流れは次のとおりです。

1.決算変更届の提出(毎期必須)
2.申請書類の準備(完成工事高・財務諸表・技術者一覧 など)
3.経営規模等評価の申請
4.総合評定値(P点)の算出
5.結果通知書の受領

結果は公共工事の入札ランクに反映されるため、毎年の確実な申請が重要となります。


6.まとめ

経営規模等評価は、建設業者の事業規模と信頼性を客観的に示す非常に重要な制度です。
公共工事の受注を目指す企業にとっては欠かせない評価であり、財務改善・技術力強化・元請実績確保など、日頃の経営努力がそのまま結果に反映されます。

企業の成長戦略を考える上でも、毎年の評価を継続的に見直し、総合評定値の向上を図ることが大切です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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