建設業許可は、一定規模以上の建設工事を請け負うために必要な制度です。
この制度では、事業者としての経営体制・技術力・信用力が備わっているかを、書類によって確認します。
ここでは、建設業許可を取得する際に求められる主な要件と、その正しい証明方法について整理します。


経営業務の管理責任者に関する要件と証明

建設業許可では、適正な経営体制が確立されていることが必要です。その中心となるのが、経営業務の管理責任者です。

この要件では、建設業に関して一定期間以上、経営に携わっていた実績が求められます。

証明にあたっては、
・登記事項証明書
・確定申告書
・工事請負契約書、請求書
などを用い、実態として経営に関与していた事実を客観的に示します。
単なる肩書ではなく、経営内容との整合性が重視されます。


専任技術者の配置要件と証明方法

建設業許可では、営業所ごとに専任技術者を配置することが必要です。
これは、工事を技術的に管理できる体制があるかを確認するための要件です。

専任技術者の要件は、
・資格による証明
・実務経験による証明
のいずれかで満たします。

資格の場合は資格証の写し、実務経験の場合は、工事内容・期間・立場が分かる資料を用いて、業種との対応関係と経験年数を証明します。


財産的基礎・金銭的信用に関する要件

建設業許可では、事業を継続できるだけの資金的裏付けも重要な審査項目です。
これは、工事の途中で経営が不安定になることを防ぐための確認です。

この要件は、
・残高証明書
・決算書
などにより、申請時点で基準を満たしていることを示します。


納税証明書による信用確認

建設業許可では、税金を適正に納付しているかどうかも確認されます。
これは、事業者としての社会的信用を判断するための重要な要素です。

ここで確認されるのは、税額の多寡ではなく、未納がないかどうかです。

法人・個人の別に応じて、国税・地方税について、未納がないことが分かる納税証明書を提出します。
納付書の控えでは証明にならない点に注意が必要です。


欠格要件と証明書類の正しい整理

建設業許可では、申請者や役員が欠格要件に該当していないことも重要です。
この確認に関して、書類の役割を正しく理解することが不可欠です。

誓約書は、欠格要件に該当していないことを申請者が表明する書類であり、それ自体が事実を証明するものではありません。

一方で、身分証明書は、市区町村が確認できる範囲において、破産等の一定の欠格事由がないことを証明します。

さらに、**「登記されていないことの証明書」**は、成年被後見人等として法務局に登記されていないことを示す、公的かつ全国的な事実証明書です。

これらの書類は、互いに代替関係にはなく、それぞれ独立した役割を持っています。


まとめ

建設業許可では、要件を満たしているかどうかだけでなく、それをどの書類で、どのように証明するかが審査のポイントとなります。

特に、誓約書・身分証明書・登記されていないことの証明書・納税証明書は、性質がまったく異なる書類であり、正しく整理して提出することが重要です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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