建設業許可を取得した後は、毎事業年度終了後に決算変更届(事業年度終了届)を提出する義務があります。

この届出は単なる報告ではなく、許可を維持するために必要な重要手続きです。

提出を怠ると、更新申請・業種追加・各種変更手続に支障が出るため、毎年確実に作成し提出する必要があります。

ここでは、決算変更届を作成する際の実務上のポイントを整理します。


1.提出期限を守る

決算変更届は事業年度終了後4か月以内に提出しなければなりません。


・3月決算 → 7月末まで
・12月決算 → 4月末まで

この期限を過ぎると、

  • 更新申請ができない場合がある
  • 業種追加ができない場合がある
  • 許可維持に支障が出る

といった問題が生じます。

建設業許可の有効期間は5年ですが、その間は毎年、事業年度終了届を提出する必要があります。

未提出の年度がある場合は、更新申請時にまとめて提出を求められることがあり、大きな負担になります。


2.工事経歴書を正確に作成する

決算変更届で最も重要なのが工事経歴書の作成です。

作成時のポイント

  • 許可業種ごとに分ける
  • 元請・下請を区別する
  • 請負金額を正確に記載する
  • 完成工事のみ記載する
  • 決算書の売上と一致させる

実務では

  • 許可業種と違う工事を書いている
  • 金額が決算書と合わない
  • 元請・下請が混在している

というミスが多く見られます。

工事経歴書と決算書の整合性を取ることが最重要です。


3.財務諸表は建設業様式で作成する

決算変更届では、税務申告書の決算書ではなく建設業法様式の財務諸表を提出する必要があります。

主な提出書類

法人の場合

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 注記表
  • 完成工事原価報告書

個人の場合

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 完成工事原価報告書

※会社形態によって必要書類は異なります。

特に注意点

  • 完成工事高の区分
  • 未成工事支出金
  • 未成工事受入金
  • 原価の区分

などは建設業特有の処理になります。

税務用の決算書をそのまま使うことはできません。


4.変更事項がないか確認する

決算変更届を作成する際は、次の事項に変更がないか確認します。

  • 役員の変更
  • 営業所の変更
  • 専任技術者の変更
  • 経営業務の管理責任者の変更
  • 資本金の変更
  • 社会保険加入状況

変更がある場合は、

  • 変更届
  • 更新申請
  • 経営事項審査

に影響することがあります。

決算変更届は、許可内容を点検する機会でもあります。


5.毎年提出することが最大のポイント

建設業許可は5年間有効ですが、その間は毎事業年度ごとに事業年度終了届を提出しなければなりません。

未提出があると

  • 更新時にまとめて提出が必要
  • 工事経歴書をさかのぼって作る
  • 許可手続が遅れる

という事態になります。

実務では、更新直前に数年分まとめて作成するというケースが多く、非常に負担が大きくなります。

毎年提出しておくことが最も重要なポイントです。


まとめ

決算変更届は、単なる決算報告ではなく建設業許可を維持するための必須手続きです。

作成のポイントは次の5つです。

  • 提出期限を守る
  • 工事経歴書を正確に作る
  • 建設業様式の財務諸表を使う
  • 変更事項を確認する
  • 毎年必ず提出する

これらを守ることで、更新・業種追加・経審などの手続きがスムーズになります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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