4 株主資本等変動計算書(様式17号)を作成する

愛知県建設業許可申請の手引(申請書記載例編)P32参照

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/456923.pdf

株主資本等変動計算書は、会社の「純資産の部」の変動をあらわす書類です。この書類は新規届出以降、毎年決算報告として提出する必要があります。

株主資本等変動計算書の作成要領及び注意点は、以下①~⑤です。

①当期首残高の転記

当該事業年度の株主資本等変動計算書より、資本金から純資産合計までの各項目の「当期首残高」を転記します。

②当期純利益又は純損失の数値の転記

「繰越利益剰余金」欄の「当期純利益」に、損益計算書の当期純利益(又は純損失)の数値を転記します。純損失の場合はマイナス「△」表示で記入します。

③「純資産の部」の変動の転記

「純資産の部」の変動を「当期変動額」欄の該当する変動理由に転記します。増額の場合はそのまま増額分の金額を記入し、減額の場合はマイナス「△」の表示で記入します。

④貸借対照表との照会

各項目の当期変動額合計額及び当期末残高を記入し、貸借対照表と照合します。

株主資本等変動計算書の純資産合計額及び資本金、資本剰余金、利益剰余金などの各項目の「当期末残高」が、貸借対照表の「純資産の部」の各項目及び合計金額と一致しているかどうかを確認します。

また、株主資本等変動計算書の「株主資本」項目の変動事由と金額の表示順序は、貸借対照表の表示順序に従います。

⑤合計額の記載

各項目の「合計額」の記載は省略することができます。

その他利益剰余金及び評価・換算差額等については、内訳科目の前期末残高、当期変動額及び当期末残高の記載を省略し、注記により開示することもできます。

この場合前期末残高、当期変動額及び当期末残高の各合計額を株主資本等変動計算書に記載します。

5 注記表(様式17号の2)を作成する

愛知県建設業許可申請の手引(申請書記載例編)P33~35参照

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/456923.pdf

注記表とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書を正確に読み取って判断するための必要な会計方針などの情報を記載した書類です。

①株式会社、会計監査人設置会社はすべての項目の記載が必須です。

②会計監査人なしの公開会社である株式会社については、「1 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況」と

「17 連結配当規制適用の有無」以外は必須です。

③譲渡制限会社は、「2 重要な会計方針」と「9 株主資本等変動計算書関係」「18 その他」が必須です。

「2 重要な会計方針」は、すべての法人が記載すべき項目です。記載すべき内容がない場合は「該当なし」と記入します。

6 附属明細表(様式17号の3)や事業報告書を作成する

愛知県建設業許可申請の手引(申請書記載例編)P36~38参照

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/456923.pdf

①附属明細表は、完成工事未収入金、貸付金、有価証券、出資金、借入金、保証債務の相手先や金額を表示する書類です。

株式会社で、資本金が1億円を超える もしくは 直前の貸借対照表の負債合計が200億円以上の場合のみ添付します。

附属明細表は千円単位で作成します(会社法上の大会社は百万円単位)。

関係会社に対する明細については、親会社、子会社、関連会社、その他の関係会社についてそれぞれの合計額を記入する必要があります(親会社、子会社、関連会社とは、それぞれ会社法及び会社計算規則に規定する会社をいいます)。

少額で重要性の低いものについては明細表示を省略し、まとめて記載できます。

②特例有限会社を除く株式会社は事業報告書を作成する必要があります。

財務諸表や決算証を参考に事業の概況、資金調達、設備投資など会社の状況を記載します。形式は任意です。

新規に許可申請を行う場合は、提出不要です。許可を受けた翌年度以降、毎年財務諸表などとともに提出します。

7 個人用の貸借対照表(様式18号)・損益計算書(様式19号)を作成する

愛知県建設業許可申請の手引(申請書記載例編)P39~41参照

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/456923.pdf

①個人用の貸借対照表の作成ポイント

直前一期分を作成します。

個人事業主の場合、原則としてオーナーが責任を無限に負うことにあんるため、「純資産の部」が、期首の資本(「期首資本金」、青色申告決算書の場合は「元入金」がいくらあって、今期いくらの利益を稼いで(「事業主利益」)、今現在(期末)の資本はいくらになっているのか(「純資産合計」)を表示する基本構造になっています。

「事業主仮勘定」(事業主からお店がお金を借りた)と「事業主貸勘定」(事業主にお店がお金を貸した)という項目がありますが、これらは「資本取引」を表す勘定科目です。

②個人用の損益計算書の作成ポイント

法人用のものとほぼ同じです。違いとして、「事業主利益(又は事業主損益)」がありますが、当期純利益のことです。

この「事業主利益」は、貸借対照表上の「純資産の部」に計上されます。