
~災害に強い国づくりを目指して~
■ 概要
「国土強靭化基本法(平成25年法律第95号)」は、自然災害などのリスクに備え、日本の国土と社会を“強靭(レジリエント)”にすることを目的として、2013年12月に制定された法律です。
この法律は、大規模災害やその他の緊急事態が発生しても**「致命的な被害を回避し、社会の機能を維持・早期回復できる体制の構築」**を目指しています。
■ 制定の背景
日本は、地震・津波・台風・洪水・火山など、多くの自然災害リスクを抱える国です。特に**東日本大震災(2011年)**を契機として、災害対策の在り方が大きく見直されました。
これまでは「発災後の復旧」に重きが置かれていましたが、「事前の備え」と「迅速な回復」が重視されるようになり、その指針となるのがこの国土強靭化基本法です。
■ 主な内容と仕組み
項目 | 内容 |
---|---|
基本理念 | 生命・財産・国民生活・国民経済に重大な被害を与える事態の発生を回避、または最小限に抑える。 |
基本計画 | 「国土強靭化基本計画」を国が策定し、関係省庁・地方自治体の計画と連携。5年ごとに見直し。 |
事前評価 | 重大なリスクについて事前にシナリオを想定し、機能停止リスクの評価を行う「脆弱性評価」を実施。 |
官民連携 | 公共インフラだけでなく、民間企業・地域コミュニティとも協力し、全体で災害対策を推進。 |
■ 国土強靭化の対象となる分野
国土強靭化は、単なる土木インフラ整備にとどまらず、多岐にわたる分野に及びます。
- インフラ整備(道路・橋・堤防・下水道等の耐震化)
- 医療・福祉施設の機能維持
- 情報通信・エネルギー・物流の継続性
- 食料・水・燃料の安定供給
- 自治体や企業の事業継続計画(BCP)支援 など
■ 建設業との関わり
建設業は、国土強靭化の「中核」となる産業です。
公共事業や防災インフラ整備、災害復旧工事などを通じて、地域社会の安全と持続性を担保する重要な役割を果たしています。
また、国はこの分野への公共投資を強化しており、建設業者にとっても「受注機会の拡大」「新技術の活用」「地域貢献の明確化」といった点で注目されています。
■ 地域単位での取り組みも重要
各自治体では「地域強靭化計画」を策定し、地元企業と連携して地域インフラの保全・維持に努めています。
行政書士としても、企業のBCP策定や、補助金・助成金の申請支援など、さまざまな形で貢献できる領域です。
■ まとめ
「国土強靭化基本法」は、将来の大災害に備え、持続可能な日本社会の構築を目指す“予防と回復”の国家戦略です。
建設業や中小企業、行政機関にとっても深く関わるテーマであり、制度の理解と活用が今後ますます重要となるでしょう。
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