道路や橋、ダムにトンネル――こうした社会インフラは、ただ施工会社が造っているわけではありません。その“前段階”から重要な役割を果たしているのが「建設コンサルタント」です。

建設コンサルタントの役割とは?

建設コンサルタントとは、公共インフラの整備において調査・計画・設計・施工管理・維持管理に至るまで、主に技術的な側面で専門知識を提供する事業者や技術者を指します。

主な業務内容:

  • 事前調査・測量
     地形・地質・交通量などの現地調査を行い、建設計画の基礎資料を作成します。
  • 計画立案・設計業務
     橋梁や道路などの基本設計・詳細設計を行います。耐震性や環境への配慮も重要です。
  • 積算・施工管理支援
     工事費の算出や、施工中の技術支援、安全管理のアドバイスも行います。
  • 維持管理計画の立案
     完成後のインフラを長持ちさせるための点検や補修計画の策定も担います。

登録制度と建設コンサルタント業

建設コンサルタント業を行うには、国土交通省への「建設コンサルタント登録」が必要です。
登録区分は、河川、道路、上下水道、都市計画、農業土木など20分野以上に分かれており、それぞれの分野に応じた専門技術者の配置が求められます。

登録要件の一例:

  • 実務経験がある技術管理者の配置
  • 適切な技術者の人数確保
  • 財務基盤(一定以上の資本金や純資産)
  • 品質管理体制の整備

建設業許可とは異なり、「業として請け負うかどうか」ではなく、公共工事におけるコンサル業務を行う場合には原則として登録が義務付けられます。

建設コンサルタントの将来性

近年は老朽化するインフラの維持管理や、気候変動への対応、防災・減災の観点からも、建設コンサルタントの重要性は増しています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)との連携も進み、ドローン測量やBIM/CIMの導入も広がっています。

まとめ

建設コンサルタントは、施工者や行政と連携しながら、インフラ整備の「頭脳」としての役割を果たしています。見えないところで社会を支えている存在として、今後ますます注目が高まる分野です。

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