建設業許可の申請において、重要な要件のひとつが**「営業所ごとに専任技術者を置くこと」**です。
では、この「専任」とは具体的にどういう状態を指すのでしょうか。


1.「専任」とは、常勤で実際に業務を行っていること

専任は、単に名前を貸しているだけではなく、その営業所に常勤して実際に技術的な業務を行っていることを意味します。
つまり、別の会社や営業所で同時に働くことはできません。
また、週に数回だけ出勤するような形態では「専任」とは認められないのが一般的です。

建設業法上、専任技術者は**「営業所に常勤して専らその業務に従事している者」**とされています。
したがって、他の事業との兼務や、他社での雇用契約がある場合には、原則として専任の条件を満たしません。


2.常勤の確認方法:社会保険や給与支払いがポイント

行政庁は、専任かどうかを判断するために、次のような資料を求めることがあります。

  • 健康保険証(被保険者資格を確認)
  • 給与台帳・源泉徴収票
  • 雇用契約書
  • 勤務実態を示す出勤記録

これらの資料により、当該営業所で日常的に勤務しているかを確認します。
形式上の在籍だけではなく、実際に業務を行っている実態が求められる点が重要です。


3.代表者が専任技術者を兼ねる場合

中小規模の建設業者では、代表取締役や個人事業主自身が専任技術者を兼ねるケースも多くあります。
この場合も、「他社での業務に従事していない」ことが前提です。
法人代表者であっても、他会社の役員や兼業をしていると、専任性が問題となることがあります。

たとえば、グループ会社の代表を兼ねている場合、行政庁によっては「専任とみなせない」とされるケースもあるため、注意が必要です。


4.複数営業所を設ける場合の注意点

1人の専任技術者が、複数の営業所を兼ねることはできません。
建設業許可制度では、営業所ごとに1名ずつの専任技術者を置くことが義務付けられています。
したがって、新たに支店や出張所を開設する場合は、その営業所にも専任技術者を配置する必要があります。

また、「常時人がいない」「郵便物だけ受け取る」といった名目上の営業所は、行政庁から実態のない営業所と判断され、許可審査に影響を与える可能性があります。


5.「専任」であることを維持するための実務ポイント

専任技術者として認められた後も、次のような点に注意しておく必要があります。

  • 勤務形態を変更する際は、常勤状態が維持できるように調整する
  • 長期出張や兼業により、常勤でなくなる状態を避ける
  • 人事異動・退職などがある場合は、速やかに変更届を提出する

とくに変更届の提出遅れは、許可の更新や経審で不利益となるおそれがあります。


6.まとめ:専任技術者は「名義」ではなく「実態」

専任技術者の「専任」とは、実際にその営業所で常勤して技術的業務を担当していることを意味します。
形式的な在籍や名義貸しではなく、日々の業務実態が伴っていることが大前提です。
建設業許可の基礎となる部分ですので、勤務形態や実態をしっかり整えておきましょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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