
BCP(事業継続計画)とは何か
BCP(Business Continuity Plan)とは、事業継続計画のことです。地震・台風・洪水などの自然災害や、事故・感染症といった不測の事態に直面した場合でも、自社の重要な業務を中断させない、あるいは中断しても速やかに再開できるよう、あらかじめ対応策を定めておく計画です。
建設業においては、道路の啓開・インフラ復旧・応急工事など、災害直後から社会を支える役割が求められます。自社が被災した状況でもこれらの使命を果たすためには、あらかじめ体制を整えておくことが不可欠です。
国土交通省による認定制度の概要
国土交通省の各地方整備局(関東・近畿・中部・中国など)では、建設会社を対象とした「災害時の事業継続力認定制度」を設けています。この制度は、BCPの策定の有無ではなく、実際に災害時の業務を継続できる体制が整っているかを評価するものです。
認定を受けた会社には認定証が交付され、会社名も公表されます。また、近畿地方整備局をはじめとする整備局では、認定取得企業が総合評価落札方式の公共工事入札において加点対象となる運用が行われています。
認定の有効期間は新規申請が2年、継続申請が3年が一般的です。継続申請には年1回以上の訓練実施が必要とされています。
中小企業向けの事業継続力強化計画
規模の小さな建設会社には、経済産業大臣が認定する「事業継続力強化計画」(中小企業庁)の活用も選択肢のひとつです。この制度は中小企業にとって取り組みやすいBCPとして位置づけられており、認定を受けると税制措置・金融支援・補助金の優遇加点といったメリットが受けられます。
BCP策定の実務的な意義
BCPは単なる書類作りではなく、指揮命令系統の明確化・緊急連絡体制の整備・重要業務の優先順位付けといった実務的な備えを整える機会でもあります。訓練を重ねることで計画の実効性が高まり、従業員の危機意識も向上します。
建設業者にとってBCPは、社会的使命を果たすための基盤であると同時に、公共工事への参入や企業信用にも関わる経営上の重要課題です。自社の規模や地域の認定制度を確認しながら、段階的に取り組みを進めることが望まれます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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