
~形式的なJVと、地域を支える本来の姿~
建設業界において「JV(ジョイント・ベンチャー)」と呼ばれる共同企業体は、公共工事を中心に広く活用されている仕組みです。
特に大規模工事や技術力・資金力を求められる案件では、複数の建設業者が協力して一つの事業を遂行するJV方式が重宝されます。
しかし、すべてのJVが「理想的な協業関係」であるとは限りません。今回は、**「形式的なJVの実態」と、いま注目されている「地域維持型JV」**の取り組みについてご紹介します。
◆ 形式的なJVの実態
JV本来の目的は「それぞれの強みを活かし、共に事業を成功させること」です。
しかし、現実には名ばかりの“形式的なJV”が少なくありません。
特定の大手建設会社が主導し、他の構成員は実質的な業務には関与せず、単なる“数合わせ”や“地元対策”としてJVに参加するケースもあります。
このような場合、
- 地元企業がJVに名を連ねているにも関わらず、実際の施工や監理に関与しない
- 収益分配は形式的で、実質的な利益は大手企業に集中する
- 公共工事における地域貢献の趣旨から外れてしまう
など、公正な競争や地域活性化という目的に反する実態が問題視されています。
行政からも、「形だけのJV」ではなく実態ある共同施工を求める指導が強まっています。
◆ 地域を守る「地域維持型JV」
一方で、近年評価されているのが**「地域維持型JV」**です。
これは、主に地方自治体が発注する小規模・中規模の公共工事において、地域の中小建設業者が複数社でチームを組み、地元のインフラ維持を目的として結成されるJVです。
地域維持型JVの特長:
- 地域内の建設業者が連携して施工管理・品質確保を行う
- 災害時や除雪業務など、緊急対応力の強化
- 若手技術者の育成や施工ノウハウの共有
- 地元雇用の確保、地域経済の循環維持
まさに「地域を守るための共同体」としてのJVの理想形といえます。
中には、自治体側が地域維持型JVの結成を推奨し、発注要件に取り入れる事例も増えつつあります。
◆ まとめ:形式ではなく「実態ある連携」へ
建設業の持続的発展には、形式だけでなく実質的な協力体制を築けるJVの活用が不可欠です。
行政書士として、許認可の面からもJVの正当性や構成企業の適格性を確認し、地域の建設業者が正当に評価される仕組みづくりを支援していきたいと考えております。
- 建設業許可特化事務所
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