
解体工事業は、平成28年6月1日施行の建設業法改正により、建設業許可の独立した業種として新設されました。それ以前は「とび・土工工事業」の一部として取り扱われていましたが、施工実態の変化や安全確保の観点から、独立した業種区分として整理されています。
本記事では、その制度改正の背景と理由を整理します。
1.施工実態の変化と専門性の明確化
高度経済成長期に建設された建物の老朽化が進み、解体需要は年々増加しています。都市再開発、空き家対策、建替え需要などにより、解体工事は新築工事に匹敵する重要な分野となりました。
建物構造の多様化に伴い、鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの解体には、構造理解や重機操作、安全管理など高度な知識と経験が必要です。従来の「とび・土工工事業」の枠内では、解体工事の専門性を十分に反映できない状況がありました。
そのため、施工実態に即した業種区分への見直しが行われ、解体工事業が独立業種として位置付けられました。
2.事故防止と工事品質の確保
解体工事は、崩落事故や飛散事故などのリスクを伴う工事です。社会的な安全意識の高まりを背景に、施工体制の適正化が求められていました。
業種として独立させることにより、
- 解体工事業に対応した専任技術者要件の整理
- 実務経験区分の明確化
- 許可制度による適正な業者選別
が可能となりました。
これは、事故防止と工事品質確保を制度面から支えるための整備といえます。単なる区分変更ではなく、建設業全体の安全性向上を目的とした改正です。
3.経過措置の存在
改正時点で「とび・土工工事業」の許可を受け、解体工事を営んでいた事業者については、平成31年5月31日までの経過措置が設けられました。
この期間中は、解体工事業の許可を取得していなくても解体工事を継続できるとされ、段階的な移行が図られました。
制度改正による急激な影響を避けるための配慮といえます。
4.500万円以上の解体工事と許可制度
建設業法では、請負金額500万円以上の解体工事を行う場合には、解体工事業の許可が必要とされています。
従来はとび・土工工事業で対応していた部分も、改正後は解体工事業の許可で整理されることになりました。これにより、解体工事の責任範囲や技術者配置の要件が明確化されています。
まとめ
解体工事業が独立業種として追加された背景には、
- 施工実態の変化と市場拡大
- 事故防止と品質確保の必要性
- 専門技術者要件の明確化
といった制度上の要請があります。
この改正は、建設業の透明性と安全性を高めるための実務的な見直しであり、単なる形式的変更ではありません。
解体工事を事業として行う場合には、業種区分と許可要件を正確に理解することが重要です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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